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書籍紹介: 氷島の漁夫
著:ピエール・ロチ(Pierre Loti) 訳:吉永 清
タイトルに氷島(アイスランド)とあるのにもかかわらず
物語の舞台はアイスランドではなくフランス北西部ブルターニュの漁村で、
アイスランド人は一人も登場しない上に、
アイスランドの近海で漁をするシーンはあるものの、
登場人物たちがアイスランドに上陸することさえ一度もありません
(“アイスランド系漁夫”の子孫たちが暮らす漁村の男女の物語です)。
"アイスランド"というワードに飛びついて買ってしまった人にとっては
少々期待外れ(?)なものとなってしまいそうな内容ですが、
この物語に度々登場する詳細な風景描写は素晴らしいもので、
荒れ荒む海で行われる漁のシーンでは
当時のタラ漁が非常に厳しい環境の下で行われていたことを知ることができます。
また、「濃い霧が発生する」、「木がどこにも見あたらない」など、
1世紀以上も前に書かれた物語によるアイスランドの解説が
現代のガイドブックに書かれているものとさほど変わらないのは面白い点。
作者のピエール・ロチはフランスの軍人として船で世界中を巡っていた人で、
1885年と1901年の二度に渡り日本にも滞在し、
いくつもの見聞録やそれを題材にした物語を残しています。
O'luckey
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